"直感と論理をつなぐ思考法 VISION DRIVEN" を読んで考えていること
フジイ タカヒロ
7/Jan · 10 min read
読んだ本
直感と論理をつなぐ思考法 VISION DRIVEN by 左宗邦威
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まとめ
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よかった点
- IC(Indivisual Contributor),中間管理職などの立ち回りの人が、自分が他人モードにいるのか、自分モードにいるのか意識できるようになる
- 直感で感じたことを、どのように論理や、具体的なものにしていくのか、非常に色々な手法が理由付きで説明されているので、自分が受け入れやすいやり方がみつかる
- プロトタイピングや、Design Thinkingなど、プロダクト開発、開発プロセスをそのままイメージできる話も多く、エンジニアは、プロダクト開発会社にいる人がより具体的なイメージを持って、本を読み進めることができる
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考えさせられた点、感じたこと
- この本では特に触れられていないが、局所的に、他人モードの思考や視点が必要(あるいは全員でなくとも、組織の一定の人は)になりうるケースはあるのではないか
- 基礎的な力、素地があった上、もしくはそれを身に付けつつ、この思考は大成していく。語られてないが、(むしろ当たり前のように)知識を学んでいくことが前提にある
- 考えを組み換えたり、妄想したりする際に、紙に勝るものはない、という話だが、個人的にはiPad+Conceptはかなり良いレベルでこの本で紹介されている手法にfitする
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自分にとって、この本は
この本は、自分にとって良い本だったと思います。なぜなら、
- 比較的他人モードに入ることを厭わないタイプの人間である
- Engineering Managerとして開発組織を見ていく中で、VISIONやOKRは他人モードな思考を自分モードに切り替える手段として、良く働くことを認識することができた
からです。
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最初に
1月から新しい会社に勤めているのですが、社長からもしよかったら是非と2冊頂いたうちの1冊を読んでみて、色々おもうところがありました。自分の考えをまとめたり、整理する意味も含めて、記事としてまとめています。ちょうど、新しい会社に入り、開発組織のメンバーがどのように会社のVISIONを捉え、理解して、個々の目標に落とし込んでいけるのか、ということについて考えていたので、そういった意味でもこの本を手にとったタイミングが良かったです。
この記事では、本の詳細にはあまり触れすぎず、この本の中で出てきたキーワードと自分の経験を照らし合わせて、感じたことを少し書きます。もしも興味を持たれたら、是非本を読んでみて下さい。
大きく、本書には次の2つのことが書かれています。
- 他人モードと自分モードの話
- 自分モードから生まれる直感や妄想をどのように自分の中に落とし込んでいくのか
主に、この2つに関して、自分が考えていることをまとめます。
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他人モードと自分モード
まず、他人モードと自分モードについて説明する必要がありますが、いくつかの表現や特徴が本では述べられています。僕としてしっくりきているのは、下記の文脈です。
他人モード : 「どう自分が感じるか」よりも「どうすれば他人が満足するか」を大切にしている状態
自分モード : 「直感から考え始めることができる」状態
正直、いわゆる日本人的な感じだな、と思うところもあります。前職では、他人モードに入り込んでしまう人はそんなに多くはなかったです。※あくまで、自分が見ていた局所的な範囲において。一方で直感ややりたいことを落とし込んだり、結びつけることに苦労している人は多いと思いました。
自分が感じていることとしては、”他人が満足するか”考えること自体は悪くない。ただ、そのモードに浸り続けた結果、
「何がしたいのか分からない」
「どう思うのか聞かれた時に、自分の直感が浮かんでこない」
というような状態になることが問題ということです。
自分の仕事を振り返ってみると、他人モードに結構どっぷり使っているタイミングはありました。これは、主体性がなく、全くやる気が無い状態のことを指しているわけではなく(それはそれでもちろん課題がありますが)、むしろ忙しいとき。圧倒的な作業量を周りと分担できなかったり、様々な事情で自分が大量に抱えて、圧倒的にアウトプットにのみ集中する状態(そのアウトプットが他人モード寄りのためのもの)が中長期的に発生してしまう時に起きやすいと感じました。(そして、僕はその状態に割と入りやすい。これは自分の課題)これは、忙しくない時に起きることではなく、忙しい時にも場合によっては起きやすくなります。ただ、そんな自分を客観的に見れて、今は他人モードで、自分モードだったらどう考える、こうするというものがある中で一時的に他人モードのことを客観的に見れるかどうかが大切です。
一方で、今の自分の段階であれば、そういった状態よりも、OKRやVISIONといった会社や、代表の想いや目標を自分で理解し、自分がそれに貢献するために何をしたいかを考え、主体的な行動に集中出来ることの方が幸せです。
尚、この本には、自分が他人モードに慣れている時に、どうやってその状態を抜けるきっかけをつくったり、自分の想いを見つめなおすことができるか、といったことが書いてあるので、そういったことに心当たりがある人は、一度本を読んでみて欲しい。
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自分モードから生まれる直感や妄想をどのように自分の中に落とし込んでいくのか
これはその次の状態(というか前の話題が本的にはスタートラインに立つみたいな感じ)の話になります。今、あなたは自分モードになり、自分の直感や妄想からアイデアを抽出できるようになった状態だったとします。ただ、その状態ではただ、直感を感じ取れている状態にすぎません。その直感はゴールではなくむしろスタートだと思います。直感をただの思いつきで終わらせずに、どうやって論理に落とし込んだり、具体化していくか、ということを考える必要があります。
そして、直感の時点ではまだ根拠もない。少なくとも言語化もされていません。周りを巻き込むにはあまりにもあいまいだったり、荒かったりします。そいうった状態から、どうやって自分の思考を整理したり、落としこんで直感に対する理解を深められるかということは、直感で感じたことを成果に出す為に大切ですし、特に他人も巻き込む為には必要不可欠だと思います。
ただそこで、全部を事細かに具体化しないといけないのかといえば、そんなことはなく、それは根拠やストーリーを持って語られるVISIONであったりするんだと思います。そして、OKRなどを通じ、各メンバーが各々の責任範囲において自分モードでGoalやPlanとかを考えて動いていくこと(≒ティール組織)ができたらいいのかなって。
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おまけ
この本の中に、年に一度、お互いの振り返り(キャリアや仕事の)ができる友達がいると書いてあって、それはまさにその通りだと思いました。ので、若干募集中です。笑。
iPad + Conceptの話は別途書きます。
余談ですが、Vision DrivenというテーマでMITの石井裕さんが話されていたプレゼンが良かったです。
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あとがき
実は、2冊頂いた本のうちのもう1冊も、佐宗さんが書かれている本で、上記の本のより実践的なところに触れられているらしい。ので、これからその本を読んで、上の考えをもう少し昇華させ、自分に落とし込めたらいいなって思っています。
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